重要なお知らせ

宇フォーラム美術館ホームページは2023年より新しいドメインに切り替わりました。
2023年以降の展覧会、イベント情報はこのホームページをご覧ください。
2022年以前の展覧会、イベント情報は下記のボタンをクリックしてください。

冬季休館のお知らせ
当館は冬季休館に入りました。今年も多くの方にご来館いただきありがとうございました。
来年は、2月12日(木)から「日本のこころ」展を開催します。
来年のスケジュールはホームページやフェースブックでもお知らせいたします。
来年も引き続きよろしくお願いします。

(スマホは必ず横にしてご覧ください。)

宇フォーラム美術館デジタルアーカイブ

  • 世界中でいつでも展覧会が再現できることを目的として、1999年の新館建設と同時に展覧会をパノラマで撮影記録し、アーカイブとしてインターネット上で保存しています。(その数は2020年5月で187室。約1万㎡の美術館に相当) 最近では展覧会だけでなくイベントの記録も見る事が出来ます。
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  • 展覧会、イベントの予定

  • 「日本のこころ」2026.2.12~3.1 開館時間/ 13:00~16:30(冬季特別対応)   休館日/ 月火水曜日 入館料/ 一般500円、会員無料、障がい者無料、中学生まで無料
    室町時代の源氏物語押絵貼り屏風から平松輝子の現代まで、余白の美、自然への畏敬と季節感など日本の美意識を振り返ります。俵屋宗達、宗達派、雪舟、伊藤若冲、渡辺省亭、葛飾北斎、平松輝子、他。

  • 会場写真 中央 平松輝子「うるわしの大和のくに」右「朝陽の海」

  • 会場写真 俵屋宗達屏風他

  • 会場写真 左より平松輝子「いのり」「禅」

  • 会場写真 中央 平松輝子「花」右「とうとう」

  • 源氏物語屏風

  • 源氏物語部分

  • 北斎「富嶽図」部分

  • 駝足軒舞雪「富士昇竜図」

  • 俵屋宗達派「草花図屏風」部分

  • 前田鳳堂「瓢箪の花と蜘蛛」部分

  • 渡辺省亭「柳と白鷺図」部分

  • 渡辺省亭「桜と美人図」部分

  • 平松輝子「月と雲」

  • 「日本のこころ」           平松朝彦

    絵とはメッセージです。本を読むように、絵を見て作者が語りかけてくるものを感じましょう。源氏物語は約千年前に平安時代に紫式部により書かれた世界最古の長編小説です。さらに室町時代に当時の画家により絵がつけられました。その絵は吹き抜け屋台といい、空中から俯瞰図のように描かれ、金色の雲がたなびき、不要な部分は省略されると同時に自由に配置される構図となっています。大和絵と呼ばれ人々に愛されました。松の木などの樹木、庭木があり当時の藤原家の貴族の生活がわかります。
    室町時代には画僧の雪舟が水墨画を学びに中国の明に渡りました。彼の水墨画は日本の穏やかな自然と湿潤な空気感が漂う独自のものとして日本の人々に高く評価されました。
    江戸時代中期の俵屋宗達はたらしこみの技法により多くの絵を描きました。たらしこみとは、まだ墨が乾く前にさらに描きこみ複雑なにじみを生じさせる技法です。宗達の後の琳派といわれる人々は、それらの技法を継承しました。今回、宗達派の屏風にはそれらが顕著にみられます。それらは輪郭を描かずに一筆書きのように早いスピードで一気に書かれました。この技法はさらに尾形光琳や酒井抱一に受けつがれました。
    伊藤若冲も巧みな技術を持った絵師でした。動植綵絵は、仏教の教えである山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしつうぶつ)を図化した、生命を慈しむ教えです。彼は鶏を飼って観察しましたがこの双鶏図は構図が独特で、葉の葉脈は繊細で、丸い虫食いの葉も正確に描かれています。
    前田鳳堂の植物図は、さらに表現が巧みです。彼の狸の動物図もユーモラスで、日本人は動物の擬人化が得意でした。渡辺省亭の「柳の白鷺図」、「桜美人図」も超絶な筆致です。日本の象徴的な文化遺産としてユネスコが指定した富士山は多くの画家のモチーフです。北斎の富嶽図は肉筆で空のグラデーションを見事に表現しています。駝足軒舞雪の「富士竜雲図」は、曽我漂白の筆致に似ていますが、同時に北斎の絶筆、「富士越龍図)ふじこしのりゅうず)」にも似ています。
    当館の設立者であった平松輝子は大正時代に浅草で生まれ、関東大震災に逢い故郷の岡山に避難しました。その地は総社市の隣で雪舟が修行した井山宝福寺から3kmほどの場所。雪舟は小僧として宝福寺で修業し、涙でネズミの絵を描いたとの逸話があります。平松は後に総社で小学校の先生をした時、宝福寺の小僧を教えましたがその彼は後に京都東福寺の管長(福島慶道)となり、アメリカで禅を広めました。平松は若い時に、多くの植物をスケッチしましたがその中にネズミもあります。平松もアメリカに行って活躍した後、ドイツでは禅の考え方で絵を描きました。和紙ではなく布のキャンバスに墨で字を書きましたがそれは書道ではなく、絵でした。今回、西ドイツの首都ボンの政府後援の展覧会のポスターを展示しました。さらに「禅」は1979年の国際的美術誌アートニュースで一ページ大で取り上げられました。1970年にアメリカから帰国して描いたアクリルの「うるわしの大和のくに」は、アクリルで描いたたらしこみの絵画です。
    日本の伝統的な絵画はまさに古い文化を持つ日本の貴重なもので、それらは日本人の誇りですが、それは単に古いだけの学術的価値があるだけでなく、卓越した技術を持ち、さらに現代美術にも影響を与えうるポテンシャルがあります。逆にいえば新しいものも古いものと様々につながっているのです。



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