Semi Natural 半自然

※ 展覧会の様子がパノラマでご覧になれます

 

 

 

 

11月9日(木)~11月26日(日) 13:00~17: 00 月火水曜日休館
-Semi Natural 半自然- アダムス ヴァール(Verl Adams)、飯島 浩、村井 旬 写真展 18日、ライブパフォーマンス Chica & 岩品晴香 (ダンス&ピアノ) 17:30開

・作者のコメント
「この度、東京の宇フォーラムミュージアムでの展覧会「半自然-Semi Natural」のために、私は建築とアート、写真とデザインの境界を曖昧にするインスタレーション作品を制作しました。反射光、空間、人間の知覚の探求です。」(Verl Adams)
「今回の「半自然-Sami Natural」展で、私は写真というメディアを通して制作された作品を発表し、自然に対するアプローチの違いが、写真とメディアの意味や価値にどのような影響を与えるのか、そしてその違いが私たちが日々目にしている現実の認識とどのように関係しているかのか、を検証しています。」(村井旬)
「幻想の世界に過去の思い出をリンクさせて、写真では表現できない絵画の領域に僅かでも近づくように努力してみたが、なかなかピクトリアルフォトグラフィーと呼ぶには達しない。しかし私なりに、風景に心を持たせ、見る者の潜在意識を揺さぶり心が和むような効果を心がけて絵作りをしている。」(飯島浩)

「半自然」とは、今回の展覧会についての村井氏による題名であり造語。解釈は様々だが、自然と人工物の混合 (フュージョン)、あるいは自然と対比的存在である人間の工作物との関係を想起する。飯島氏は 1933年生まれの写真家で、2013年に当美術館にて開催した「積層された忘却」のアンコール展覧会である。
フランスのパリ、スペインのトレド。かつての栄華が新しくあやしく幻想的によみがえる。人の営みの積み重なった有機的で濃厚な時間は飯島氏によって作られた。かつて生きた人々の時間の蓄積が、それを見る人の脳の中に記憶としてよみがえる。ただならぬ様相を呈する暗雲は人々の運命を表わしているのだろうか。かつて美とともに生きた今は誰も知らない名もなき建築家や芸術家、装飾家たちに代わりに写真家の飯島氏が生の記録を残すかのように写真でないものを創造した。光と影、硬い石や形のない軟らかな雲、自然物と人工物、人間と自然、無機物と有機物、それらのめくるめく対比の中で新しい舞台が表出する。
独自のHirography技法*によるその写真作品は空、鳥、花などの自然と対比して古い建物や彫刻物などが意図的に示されることで絵画のような写真を作りたいという飯島氏の思いを表現した。
ヴァール氏と村井氏は、当初の写真展の企画から発展したインスタレーション的な展示空間を作り上げた。ヴァール氏はアメリカ人の建築家、写真家であり空間デザイナーで、日本では東京都立大学で写真、空間デザインを教えている。今回の展覧会では最近取り組んでいる光の空間デザインを会場に広げる試行をした。村井氏はアメリカの大学に留学した府中市在住の写真家であるが、やはり今回は抽象的作品と新たな展示空間を提案された。いずれも当館の独特の内部空間にインスパイア―されたからだという。
ヴァール氏はアメリカの大地の原風景が残るユタ州生まれ。この地の朝焼け、夕焼けは燃えるようなオレンジ色に空を染める。今回の展示では天井からの照明を裏がオレンジ色のパネルに反射させ、壁をオレンジ色にさせる大規模な試行となった。空間自体を作品化しようという試みだが、その試行は、ル・コルビュジェ設計のロンシャン教会の影響があるといわれる。この有名な教会の建物内には自然光が間接光としてふりそそぐ設計。そして今回の展示場の壁は燃えるようなオレンジ色になった。そして会場中央には反対側から受けた光がやはりオレンジ色の間接光に包まれた美しい光のオブジェ。それらのオレンジ色の光は偶然ながら前室の飯島氏の哀愁を帯びた赤い写真群とマッチしている。ヴァール氏の写真作品は、人物写真と花、月などの写真を交互に並べた横に長い作品。花と月はまさに日本の花鳥風月。そして上部には、小さな穴の開いたアルミ板を人物写真と組み合わせることにより、見る場所によって見え方が変化する作品。
村井氏も立体的な展示を行った。天井から作品を吊り下げたり、透明なアクリルの箱を積み上げた中にフィルム状の作品を展示することで平面作品を立体的にして周りから鑑賞したり、あるいは反対に敢えて低い位置に作品を置き、作品を見下げたりと写真作品の見方を提案している。村井氏の写真作品はいくつかある。まず目をひくのは、デジタルにより作られた煙のような抽象的作品。煙そのものが自然の動きである。さらにあまり写真の対象ではない枯れた花の作品は、枯れる事も「自然」だということか。さらに下に置かれた発光する花の作品。そして観葉植物のポトスを置き、その葉の写真をフィルムとして縦に積んだ人工の植物という発想は斬新。
この美術館の空間に三者三様の作品が並んだ。
18日には作品の並ぶ中でChica&岩品晴香さんによるライブのパフォーマンスが開かれた。Chicaさんは会場に飾られているヴァール氏の写真のモデルの一人である。岩品さんの弾くピアノが流れ、きれいな晴れ着を着たChicaさんが、暗い会場に小さな灯籠を持って静かに登場し、飯島氏の写真、そして次に村井氏の写真を一つ一つ眺める。晴れ着は写真のように伝統的で美しいもの。晴れ着での登場に驚くが、住まいのある毛呂山でもこのように晴れ着を着たパフォーマンスをされているようだ。そして晴れ着を脱いで白い衣装でヴァール氏の会場で舞った。岩品さんのピアノも絶品。展覧会の後、ノスタルジックな屏風の前で一枚。(パフォーマンスの写真はヴァール氏による。)

 

展示室1(飯島、村井)

 

飯島作品 (記載は題名ではなく説明との事)

 


 


ポピーとトレドの夕景


トレド夕景と鳥の群れ


サグラダファミリアとアンモナイト


パリ・ベルサイユ宮殿と馬の噴水

 

村井作品(写真はAをのぞき本人による)

 


 


 


 


A(作品の一部)


A


展示室2、Verl Adams作品(写真はBを除き本人による)

 


 


 


 


 


B

 

パフォーマンス Chica&岩品晴香

Chica


Chica


岩品晴香


Chica